ある日、ふと気づくとキッチンの床に黒い線が…。よく見ると、それは小さなアリの行列でした。慌てて辿っていくと、なんと壁の隙間や巾木のあたりに吸い込まれていきます。「まさか、家の中に巣があるの?」想像するだけでゾッとしますよね。家の中にアリの巣ができてしまった場合、放置しておくと食品への被害だけでなく、木材を食害する種類(イエヒメアリなど)もいるため、早急な対策が必要です。ここでは、家の中にアリの巣ができてしまった場合の対処法と予防策について解説します。まず、アリの行列を見つけたら、その発生源、つまり巣の場所を特定することが重要です。行列を根気強く辿り、どこからアリが出てきているのかを確認しましょう。壁の内部、床下、天井裏、家具の隙間、植木鉢の中など、巣は意外な場所に作られていることがあります。巣の場所が特定できたら、駆除に取り掛かります。最も効果的な方法の一つが、「毒餌剤(ベイト剤)」の使用です。これは、アリが好む餌に遅効性の殺虫成分を混ぜたもので、働きアリが餌を巣に持ち帰り、女王アリや他のアリに分け与えることで、巣全体を駆除する効果が期待できます。アリの通り道や巣の近くに設置しましょう。効果が現れるまでには数日から数週間かかる場合があります。巣穴が直接確認できる場合は、そこにアリ専用の殺虫スプレー(ノズル付きのもの)を注入するのも有効です。ただし、壁の中など見えない場所に巣がある場合は、薬剤が巣全体に行き渡らない可能性もあります。また、室内での殺虫剤の使用は、換気を十分に行い、小さなお子様やペット、食品などへの影響に注意が必要です。自分で駆除するのが難しい場合や、巣の場所が特定できない場合、被害が広範囲に及んでいる場合は、無理せずプロの害虫駆除業者に相談しましょう。専門業者は、アリの種類や巣の状況に合わせて、最適な駆除方法を実施してくれます。駆除が完了したら、再発防止策を講じることが大切です。まず、アリの侵入経路となった隙間をパテなどで塞ぎます。窓枠、ドア周り、壁のひび割れ、配管周りなどを念入りにチェックしましょう。そして、アリの餌となるものをなくすことが重要です。食べ物カスはすぐに片付け、食品は密閉容器に入れて保管します。ゴミ箱も蓋付きのものを選び、こまめに中身を捨てるようにしましょう。
家にアリの行列その先に巣があったら