家の中でクモを見かけると、「不吉なことが起こるのでは?」と心配になる人もいるかもしれません。しかし、日本や世界の文化では、クモは「幸運を呼ぶ生き物」として扱われることが多いのです。では、なぜクモが縁起の良い存在とされているのか、クモに関する言い伝えを紹介します。日本には「朝のクモは縁起が良い、夜のクモは縁起が悪い」という言い伝えがあります。これは、朝に見かけるクモは福をもたらし、夜に現れるクモは不吉なことを示すとされるものです。この言い伝えの由来には諸説ありますが、一つの説として、「朝に出るクモは幸運を運んできた使者と考えられるが、夜に出るクモは泥棒の象徴とされていた」ことが関係しています。また、日本の民間伝承では、「家にクモがいると家が繁栄する」とされることもあります。特に、アシダカグモのようなクモが住みつくと、その家の害虫が減り、住み心地が良くなるため、結果的に家族が健康で豊かに暮らせるという考え方があります。そのため、クモをむやみに殺さず、そっと逃がすことが推奨されることが多いのです。海外でも、クモは幸運の象徴とされています。例えば、中国ではクモは「福をもたらす生き物」と考えられており、家にクモがいると金運や良い知らせが舞い込むとされています。特に、天井から糸を垂らして降りてくるクモは「幸福が降りてくる」と解釈されることがあり、見つけたら優しく扱うのが良いとされています。ヨーロッパの一部の国では、クモは「勤勉」と「幸運」の象徴とされます。これは、クモが網を張る様子が「地道に努力を重ねること」を連想させるためであり、クモの巣が家にあると「努力が実を結び、成功を手にする」という意味が込められています。そのため、クモを見つけても殺さず、大切にする文化が根付いている地域もあります。しかし、クモに関する言い伝えは国や地域によって異なり、中にはクモを「不吉な存在」とみなす文化もあります。例えば、南米やアフリカの一部の地域では、「家にクモが多いと、その家に悪いエネルギーが溜まっている」と考えられることもあります。そのため、クモが出ると掃除をして家の浄化を行う習慣があるそうです。
クモが家に住みつくと縁起が良い?日本や海外のクモに関する言い伝え