家の中や庭で「てんとう虫みたいな黒い虫」を見かけることはありませんか?一見てんとう虫に似ているけれど、模様や行動が少し違うと感じることがあるかもしれません。このような虫は、実はさまざまな種類が存在し、それぞれ異なる生態を持っています。ここでは、てんとう虫に似た黒い虫の正体について解説します。まず、最もよく見かけるのが ナミテントウ(Coccinella septempunctata) です。ナミテントウは通常、赤い羽に黒い斑点があるイメージが強いですが、実は黒い個体も存在します。この黒いタイプは「黒化型」と呼ばれ、体全体が黒く、オレンジ色の斑点があるものや、完全に黒いものまでさまざまです。基本的には益虫で、アブラムシを食べるため、庭や畑にとってはありがたい存在です。次に、クロヒメテントウ(Stethorus japonicus) もてんとう虫に似た黒い虫のひとつです。体長は約2mmと非常に小さく、光沢のある黒い体を持っています。こちらもアブラムシやハダニを食べる益虫として知られており、農作物の害虫対策として活躍します。一方で、見た目はてんとう虫に似ていても、害虫として扱われる種類も存在します。たとえば、カツオブシムシ(Anthrenus verbasci) は、黒っぽい体を持つことがあり、家の中で見かけることが多い虫です。カツオブシムシの幼虫は衣類や畳を食害するため、発見した場合は早めに駆除することが大切です。成虫は屋外にいることもありますが、繁殖のために家の中へ侵入することがあるため、注意が必要です。また、オオホシカメムシ(Scotinophara lurida) という虫も、てんとう虫に似た黒い虫として挙げられます。こちらは田んぼや草むらに生息しており、光沢のある黒い体を持っています。しかし、カメムシの仲間なので、刺激すると悪臭を放つことがあり、注意が必要です。このように、「てんとう虫みたいな黒い虫」とひとくくりに言っても、実際にはさまざまな種類が存在し、中には益虫として活躍するものもいれば、害虫として対策が必要なものもあります。もし見かけた場合は、まずは特徴をよく観察し、適切な対処をすることが大切です。
てんとう虫みたいな黒い虫の正体とは?よく見かける虫の種類と特徴