家の中で蟻を見かけるものの、どこから入ってきているのかがわからず、駆除しても次々と現れるという状況は、多くの人が経験したことがあるでしょう。侵入口を特定できないと、いくら蟻を追い払っても根本的な解決にはならず、気づけばまた列を作っているということになりがちです。しかし、蟻は必ずどこかから侵入しているため、行動の「痕跡」をたどることで、そのルートを特定できる可能性があります。まず、蟻の「フェロモントレイル」と呼ばれる移動ルートを探すことが重要です。蟻はエサを見つけると、その場所を仲間に伝えるためにフェロモンを残し、仲間が同じ道を通るようになります。このため、蟻の行列をよく観察し、どこへ向かっているのかを追ってみましょう。たとえば、キッチンやゴミ箱の近くに蟻が集まっている場合、その周辺の壁や床に沿って移動している可能性があります。蟻の行列が途切れた地点を見つけたら、その周囲を詳しく調べると、わずかな隙間から侵入しているのがわかることがあります。侵入口を特定するもう一つの方法として、蟻の通り道に「小麦粉」や「ベビーパウダー」を薄く撒くという方法があります。蟻が粉の上を通ると、その跡がくっきりと残るため、どこから出入りしているのかを可視化することができます。特に、床や壁に隙間がある場合は、蟻の通り道が浮かび上がるため、侵入口の特定に役立ちます。また、夜間の観察も効果的です。蟻は日中よりも夜に活動が活発になることが多く、静かな時間に懐中電灯を使って調べると、日中には気づかなかった侵入口を発見できることがあります。特に、キッチンやバスルーム、窓際などはチェックしておくとよいでしょう。侵入口が特定できたら、すぐに塞ぐことが大切です。小さな隙間ならシリコンシーラントやパテで埋め、大きめの穴なら防虫ネットを使うと効果的です。また、蟻が嫌う酢やレモン汁を侵入口周辺に塗ることで、再び入ってくるのを防ぐことができます。もし侵入口が特定できなくても、ベイト剤を使うことで巣ごと駆除するのも一つの手です。ベイト剤を蟻の通り道に設置し、巣へ持ち帰らせることで、時間をかけて巣全体を駆除できます。