冬の寒さが厳しくなると屋外で生活していたクロゴキブリなどの大型種は生存をかけて少しでも暖かい場所を求めて彷徨いますが、その侵入経路として最も警戒すべきなのが私たちが日常的に使用している浴室やキッチンさらには洗濯機パンにある排水口です。排水管の中は生活排水によって常に適度な温度と湿度が保たれているため外気に比べて遥かに快適な環境であり、彼らはその暗く湿ったトンネルを伝って下水道から各家庭の屋内へと容易に侵入してくることができます。特にトラップと呼ばれる水封じの水が蒸発してしまっている使用頻度の低い排水口や構造的に隙間が生じやすい洗濯機の排水ホース周りは彼らにとって正面玄関が開け放たれているのと同じ状態であり、深夜に水を飲みにキッチンへ行ったらシンクの中から巨大な黒い影が這い上がってきたという怪談のような話は決して珍しいことではありません。これを防ぐためにはまず排水管のトラップに常に水が溜まっていることを確認し長期間使用しない場所でも定期的に水を流す習慣をつけることが基本ですが、さらに物理的な防御策として排水口に目の細かいネットを被せたり洗濯機の排水ホースと排水口の接続部分にある隙間を専用のパテで完全に埋めてしまったりすることが極めて有効です。冬場は窓やドアを閉め切っていることが多いため外部からの侵入経路は限られており排水口という盲点を徹底的にガードすることで、外の寒さから逃れようとする彼らの最後の希望を断ち切り家の中を鉄壁の要塞とすることができるのです。